6月になったら

感想とかアイドルとか

「Do」

 私が初めて卒業に直面するのが、工藤遥ちゃんだとは思わなかった。
これからも当たり前にモーニング娘。として存在していてくれると思っていたし、誰かがいつか言っていた、20歳の時には佐藤優樹ちゃんとふたりで振袖着た姿を見せてくれるんだろうと想像していたし、将来的にはリーダーとして娘。を引っ張っていってくれるんじゃないかとすら考えていた。
私は、工藤遥ちゃん以外の誰かが卒業になったとしてもこういう風にめそめそいうんだと思うけれど、それでも、いまこの来る2017年12月11日に卒業するのが工藤遥ちゃんだということが自分の中で思っていた以上の大きい事実だったようで、正直言うと毎日泣いている。
私の推し!といえば佐藤優樹ちゃんだと自信を持って言えるし、というかモーニングのみんなが好きだし、譜久村さんのリーダーとしての凛々しい、だけどかわいらしい姿も大好きだし、生田さんのどこに出しても恥ずかしくない美貌と優しいところも大好きだし、飯窪さんのwearに垣間見えるセンスとメンバーへの愛が好きだし、佐藤優樹ちゃんのパフォーマンスから何からすべてが好きで、割愛するけど11期以降のみんなもみんな大好きだし、歴代の卒業したメンバーもみんな大好きで、だから、工藤遥ちゃんのことは大好きだけれど、めっちゃ推してる!というとどぅー推し一本!という方が聞くと大した事ねーじゃんくらいの思いしかないのでは?と思っていた。
けど、卒業発表を聞いた日からなんだかいろいろな気持ちが収まりがつかなくて一度はあきらめた現場にも結局行ってしまったし(この話はまた後程)、行っても結局収まりはついていないし、佐藤優樹ちゃんの12月11日なんか来なければいい、という気持ちもよくわかる。胸が痛いし苦しいしつらい。
応援してあげないといけない、応援してあげたい、っていう気持ちとお願いだから、何でもするから卒業しないでくれないか(松.岡.茉.優さん)という気持ちの葛藤がすごくて押しつぶされそうだし、もう考えたくないとすら思うんだけど、工藤遥ちゃんを見ているとやっぱり向きあいたいなっていう気持ちにもなってくる。ので、このブログを書いています。よってまとまりはない。
 工藤遥ちゃんへの第一印象は、とにかく顔が可愛いだったと思う。あんなにショートカットの似合う女の子はいない…。ヒトにモーニングを勧めるときはまず生田衣梨奈さん、小田さくらさん、牧野真莉愛ちゃん、森戸知沙希ちゃんたちとともにとりあえず工藤遥ちゃんを勧めがち。なぜなら可愛いから。でも工藤遥ちゃんのすごいところは、あんなにかわいい顔なのになぜかボーイッシュな印象を受けるところだとおもう。加賀楓ちゃんや生田衣梨奈さんは、きれいでかわいらしい顔立ちの中にもきりっとした印象を受けるけれど、工藤遥ちゃんはめちゃめちゃにかわいい顔立ちなのにジャ.ニーズみたいな印象を受ける。ショートカットや、本人の立ち振る舞いによるものなのかもしれないけれど、顔の可愛さに相反した印象を持たせるというのはすごいことだと思う。
 工藤遥ちゃんについて、印象に残っていることが2つある。
1つは、10期のオーディションでのことで、当たり前にみんながダメ出しをくらって悔しさに涙しているときに、工藤遥ちゃんは小学6年生11才でありながら自分が泣いていることについて「私はほかの子より活動経験があるのにこんなこと注意されててどうすんだと思って…」てしっかり説明してるんですね。ここにはあとで語られる、エッグから残ったのが自分だけであったことへの思いだったり、エッグである自分への誇りだったり、つまりプライドの高さであったり、そういったものすべてが込められていて、私はこれが工藤遥ちゃんの根源というか、いまでいう“イキってた”時代の気の強さが今の工藤遥ちゃんの魅力の源のように感じられて仕方ない。誰しもみんなが何かしらの強い思いをもって今いる場所に立っているのがアイドルだと思うし、私たちファンはそこに惹かれてファンになるんじゃないかと勝手に思っているんだけれども、工藤遥ちゃんの『エッグとしての誇り』はいま、『モーニング娘。としての誇り』に進化して私たちを惹きつけてやまないんじゃないかと思う。
2つ目は、舞台『続・11人いる! 東の地平・西の永遠』のwestにて工藤遥ちゃんの演じたタダという青年の役を演じているのを見たとき。それまで私は、正直言って「かっこいい工藤遥ちゃん」というものが分からなかった。だってあんなにかわいいのに!キメ顔しててもかわいいじゃん!て思ってた…。それが覆されたのが11人いるを見た時で、めっちゃくちゃかっこいいじゃん…好き…って、少女漫画のヒーローにときめいた時の感覚です。わかりますかね?こんなかっこよかったの―――⁉気持ちわかった!!!って思った。(実際ハロメンを含めみなさんこのあたりからかっこいいどぅにはまったようで…)んだけど、アイドルとしての工藤遥ちゃんを見たら、あれ?やっぱかわいい…ただのかわいい工藤遥ちゃんだ…ってなって、そこで「工藤遥演じるタダという青年」がかっこよかったんだと気づいた。そこでえっ…工藤遥ちゃんすごい…と心底驚いたのをめちゃくちゃ覚えてる。たとえタダという男の子がかっこよかったんだとしても、「工藤遥」っていう人間をひとり完璧にタダという役の後ろに紛れ込ませたという事実がすごすぎる。例えば、ドラマがあったとする。そこに今話題の女優が出ていれば、どんな役柄であったとしても「昨日のドラマの○○がさあ、」と女優の名前で語ってしまうように思われる。昨日のドラマの石.原.さ.と.みが可愛かった、石.原.さ.と.みのあのセリフにときめいたのように、役名で呼ぶのはドラマを様々な、脚本であったり演出といったような面から見る人のみで、多くはその女優が出ているドラマとしての認識、役よりも女優として認識しているように感じる。(これは決して女優さんの力不足とかではなく、単純にそういう傾向があるんじゃないか、とかそういう問題なのでまじで全然女優さんが悪いわけではない。まじで。)実際、私も多くはそのように呼ぶし(ていうかそもそもドラマを全然見ない)、名前が売れることはすごいことだから全然いいと思うし、役の前に役者が立つことに何の違和感も持っていなかったし、考えたこともなかった。工藤遥ちゃんの演じるタダに出会うまでは。役の中、もしくは後ろに役者が隠れることはどんなに難しいのだろう。佐藤優樹ちゃんのバセスカも、小田さくらさんのフロルも、みんな素敵だったけど私の目には佐藤優樹ちゃんとして、小田さくらさんとして映っていた。ただひとり、工藤遥ちゃんだけがタダという青年としてみえた。(石田亜佑美ちゃんのフォースもすごかったな…)とはいえ、演劇をよく見るわけでもなければ知識を豊富に持っているわけでもない一個人の感想なので大したことは言えないんだけれども、ともかくそこで工藤遥ちゃんの演技すごい!!となっていた私は、「女優になりたい」という夢を工藤遥ちゃんが語った、ということを聞いたときどこかで納得していたようにも思う。だって演じてる時の工藤遥ちゃんは紛れもなくアイドルでなく役者さんとしてそこにいたから、卒業してほしくない、と思うようになったのも少し経ってからだった気がする。
 ほかにもたくさん工藤遥ちゃんの魅力はあるけれど、私が特に工藤遥ちゃんについて印象深いのはこの二つだった。
 そして先日の『モーニング娘。誕生20周年記念ツアー秋~We are Morning Musume。~工藤遥卒業スペシャル』の広島公演である。本当は卒論のあまりのやばさに次回のツアーで現場デビューしようと考えていたのだが、工藤遥ちゃんにとってのラストシングルのなかの一曲、「若いんだし!」のMVを見た瞬間にそんな考えは吹き飛んだ。「若いんだし!」はわれらのつんく♂が作詞作曲をつとめた曲で、その歌詞、MV、ダンス、すべてが工藤遥ちゃんに贈られたはなむけそのものである。役者ではなく、工藤遥ちゃんという女の子がアイドルとして泣き、そして笑う姿がそこには映し出される。工藤遥ちゃんのアイドルとしての6年間そのもののようだと思えるし、10期4人の深い絆にも泣かされる。「若いんだし!」が公開された直後、卒業までに工藤遥ちゃんに会いに行かなければ絶対に後悔する、と思った私はすぐにそのころでも取れるチケットを探し、先着順の広島公演のチケットを確実にとるため、友人にも協力してもらった。本当に友人には頭が上がらない。立ち見ではあるものの、見事昼夜ともにチケットを手に入れ、広島公演に参加した。正直、ここまで工藤遥ちゃんのことを深く考えるようになったのは広島公演を見たからに他ならない。前述のように、私は佐藤優樹ちゃんがすごく好きなのでまーちゃんに会えるー!という気持ちも大きく、実際生で見た佐藤優樹ちゃんのパフォーマンスはスゴイヤバイ(j=j)だった。感想を佐藤優樹ちゃんに振ってくれた時はその時点で泣いたし、その内容も本当に佐藤優樹ちゃんらしくて、あたたかくて不器用で優しかった。佐藤優樹ちゃんへの思いも語り切れないほどあるのだが、工藤遥卒業スペシャルと銘打っているだけあって工藤遥ちゃんがモニターに抜かれる場面が非常に多かった(それともああいうもんなの?笑顔が素敵すぎていつも抜かれてんの?)。工藤遥ちゃんのあの明るい笑顔やきりりとした表情、どこをとっても涙が出るほどうつくしくて、卒業とか関係なしにこの笑顔を見に来た瞬間に私は工藤遥ちゃんのことが大好きになってただろうなあと思う。昨年ころからじわじわとハローに染まってきた私だが、今年はももちの卒業・引退や℃‐uteの解散など新規にはなかなかつらいことだらけ(もちろん古参の方のほうがつらいとは思うが、別れへの免疫的な意味としてとらえてほしい)だったため、まあ今現在もいろいろとつらいことは起こっていたりとかね…、本当に悲しいなとは思いつつも、そんな2017年の最後に待っているのが工藤遥ちゃんの卒業でよかったと思う。悲しいだけじゃない、やっぱり笑顔できらきら飾られたステージで輝やいててほしいと思ってしまうので。寂しいとは思うし、アイドルの工藤遥ちゃんと同じくらい演じている工藤遥ちゃんのことも好きだという葛藤もあるし、簡単にまとめられるほどの思いではないけれど、工藤遥ちゃんに、工藤遥ちゃんが愛して誇りとするモーニング娘。に会いに行けて本当によかった。ENDLESS SKYで涙ぐむ工藤遥ちゃんを見たときに心からそう思ったし、初めての現場が工藤遥ちゃんのいる場所でよかった。モーニング娘。‘17でよかった。
 私は絶対にアイドル工藤遥を忘れないし、今日2017年12月11日に武道館にいなくても映像を見ることもできなくても、それでも、やっぱり続いてるこの空の下で、あなたに繋がる夢を応援し続けています。
どぅー、ありがとう!!
 
――――目をキラキラさせて僕に語った

                   君の将来図はただ聞いてるだけで

                         胸が熱くなり泣きそうになった
    (君さえいれば何も要らない より)